気候変動研究
コラム
2024.10.31
気候変動は現代における最大の地球規模の課題の一つです。日本では2010年以降、豪雨、河川の氾濫、土砂災害など深刻な気象災害が頻発しており、温暖化の影響が顕在化していることが指摘されています。
気候変動対策には、大きく分けて「適応」と「緩和」の二つのアプローチがあります。適応とは、気候変動の影響に対処するための対策。一方、緩和は、温室効果ガスの排出を削減することで気候変動そのものを抑制する取り組みです。京都大学は、この両方のアプローチに対して先進的な研究を展開しています。
適応研究の最前線では、シミュレーションモデルの発達で気象災害を細かく予測し、治水計画の見直しにつなげてきました。京都大学は他機関と協働し、局所的な豪雨の予測も可能にする時間的・空間的に詳細で、極めて多数の将来の気象状況予測を創出。予測をもとに、気象災害も激甚化すると予測し、気象や防災、工学、農学などさまざまな分野の研究者が共同で、都市計画などの観点からも対策研究を進めています。
緩和研究でも、長年「環境経済学分野」でリーダーシップを発揮してきました。循環経済や生物多様性維持の研究を通じ、温室効果ガス排出削減と地球の持続可能性の両立を目指しています。
現在は、医学やエネルギー分野など、さらに多くの領域の研究者が一体となって気候変動対策に取り組む動きが加速しています。分野を越えて包括的な解決策を見出すことが期待されています。