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新領域を切り拓く2つの拠点

コラム
2024.10.31

「生き物とは何か」「ヒトとは何か」。この根源的な問いに、新たな学問分野を創り出すことで挑む国際的な研究拠点があります。iCeMS(物質-細胞統合システム拠点)と、ASHBi(ヒト生物学高等研究拠点)です。

iCeMSは2007年設立。「自己集合」をキーワードに、細胞生物学と化学の融合研究を進め、生命と物質の境界を突き詰めています。研究により生物の理解を進め、化学者は生物のようなさまざまな機能を持った材料開発につなげる。成果の社会還元も積極的に模索し、創薬、環境、材料化学の分野で、5社のスタートアップを立ち上げています。

「ヒト生物学」という新たな領域を確立させ、「人間を解明する21世紀の生命科学」を進めるASHBiは、2018年に設立されました。iPS細胞の登場や、遺伝子解析技術の向上などにより、マウスなどのモデル動物ではなくヒトの細胞を使った研究が可能になりました。ヒトの誕生や発生、生涯の変化を探る研究を進め、将来起こりうる倫理的な課題も研究しています。

ともに新領域のコンセプトを打ち出し、世界中から研究者が集まる拠点です。公用語は英語。人種も、ジェンダーも立場も越えて思考を融合し、画期的な成果を次々と発表する姿は、研究大学の最先端のあり方とも言われます。物理学と哲学の交流など、古くから分野を越えて混ざり合っててきた京都大学にとって、世界をフィールドにした新たな「融合」の拠点です。

 

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