手厚い研究支援
コラム
2024.10.31
研究者の楽園――。在籍した研究者がそう表現する組織が、京都大学にはあります。
「白眉センター」です。「白眉」とは、三国志の故事に由来し、優れた人や物からなる集団の中で最も傑出している人や物のこと。ここでは、次世代研究者を手厚く支援する「白眉プロジェクト」を運営し、まさに白眉な研究者を育成しています。
2009年度から始まったこのプロジェクトには、世界中からユニークな研究に取り組む若手研究者が集まっています。公募倍率は約30倍と狭き門。学内外の著名な研究者たちが実績に加えて将来性も見ながら選考します。採用されれば最長5年の任期で雇用され、一人当たり年間最大400万円の研究費が支給されるほか、教育や、研究科の運営などに関わる業務からは基本的に外れて自身の研究のみに没頭できます。
センターには、これまでの15年間で237人が所属。「魚類の社会的知性の研究」「浄土教美術の起源に関する研究」など、さまざまな領域でオリジナリティにあふれた挑戦的な研究に取り組んでいます。専門を越えて在籍者同士が議論する場も定期的に用意されており、天文学と歴史学のコラボレーションなど、新たな共同研究も生まれています。
研究を推進するためには、ほかにも全学的な研究費の支援として複数の学内ファンドが展開されています。長期的なビジョンに基づく独創的な研究や、新領域開拓への発展が見込まれる研究に挑戦する研究者たちを支援しています。