ガーナグラスカッター飼育プロジェクト: 在来家畜生産の効率化によるガーナの食料事情向上支援
野生動物研究センター 教授
ガーナ北部は、深刻な食糧不足に直面しています。厳しい気候条件によりウシやブタの飼育が難しく、特に動物タンパク質の供給が不十分なため、子供の成長が南部の都市部に比べて大きく遅れています。
そこで野生動物研究センターの村山美穂教授がプロジェクトマネージャーを務める本プロジェクトでは、2010年からガーナで、現地在来の動物であるグラスカッターという大きなげっ歯類を家畜化する研究を進めてきました。野生動物の狩猟は、生態系のバランスに悪影響を及ぼし、人獣共通感染症のリスクを伴いますが、グラスカッターの飼育繁殖が安定すれば、安全な動物性タンパク質を確保することができます。2014年に立ち上げたプロジェクトでは、北部のアッパーウエスト州でグラスカッターの飼育を支援しています。グラスカッターの飼育がゼロだった地域において、現在までに多くの農家が安定した飼育繁殖を行っており、繁殖したグラスカッターの販売や消費も増加しました。