京都大学SPH健康情報学 薬局情報グループ
医学研究科 特定准教授
本グループは、社会の急速な高齢化に伴う医療資源の不足に対し、従来の薬局薬剤師の業務である薬剤・衛生材料の供給にとどまらず、地域住民の健康をより広く、生涯にわたって支える活動 (Public Health) を行うため、薬剤師の教育プログラム開発と実際の薬局業務を通した患者アウトカムへの影響について研究しています。具体的には、薬局で糖尿病や高血圧のい患者に薬剤師が行っている生活習慣改善の支援が血糖値や血圧に与える効果をランダム化比較試験で検証し、薬を渡す際の短時間の支援でもHbA1c0.4 %、収縮期血圧6mmHg程度が改善することを報告しています。
また、2020年初頭に新型コロナウイルス感染症の拡大が始まった際、世界各地の人々が不安な日々を送るなか、本グループでは、現場の最前線で働く薬局薬剤師の先生方に貢献できることはないか議論し、有志で「京都大学SPH薬局グループCOVID-19対策支援プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトでは、本グループのウェブサイトに薬局での感染対策に役立つ情報や新たに作成した資料を掲載し、無償公開しています。更にサイト来訪者の情報を分析して情報発信を振り返り、効果的な情報発信方法を考え、有事の際に役立てることも検討しています。