「強度」の根源を理解し、壊れない材料を実現する
工学研究科
われわれ人類は革新的な製品を創出するたびに、予期せぬ破壊によって大きな損失を受けてきました。これを防ぐには、使用する材料がどれくらい強いかをよく理解し、その特徴を活かして製品を設計することが不可欠です。しかし、材料の強度がどのように決定されるかを深く理解してコントロールする技術は、いまだ十分には確立されていません。私は、材料に電子や光を照射して余剰な電子を注入すると、もとの材料の特性が大きく変わる現象に注目しています。ガラスのように脆い材料が、電子注入によって金属のように変形しやすい材料に変わることもあるのです。この研究を通して、材料の強度を変化させる根源的な仕組みを解明し、さまざまな破壊現象に耐える「壊れない材料」を実現することで、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。