海洋地球化学が人類に与えるインパクト
化学研究所
海は、地球の気候調整において重要な役割を果たしています。大量の二酸化炭素と熱を吸収して蓄えることで、気候変動に対する緩衝材として機能し、地球温暖化を防いでいるのです。元素の循環を制御する生物学的プロセスの役割を考慮する海洋地球化学は、新しい重要な研究分野です。現代の海洋では、生物の活動に必須であり 、また高濃度では毒にもなりうる生体活性微量金属の分布が極めて重要です。私は、温度と塩分濃度の違いによる海洋の循環システム「熱塩循環」の終点に位置する北太平洋で、9つの生体活性微量金属(アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、鉛)の分布を研究しています。この研究は、人工的な物質と岩石由来の物質が海洋プランクトンや地球の気候に与える影響を理解することに役立ちます。