言語の歴史的な変化から人間のあり方を考える
文学研究科
私の専門は言語を歴史的な観点から分析する「歴史言語学」で、主にヴェーダ語、アヴェスタ語、トカラ語などの古代インド・ヨーロッパ語を研究しています。これらの言語はもはや使用されておらず、多くの謎に包まれています。そこで私は、断片的に残された写本を眺め、文脈を考慮しつつテキストを解読しながら、これらの言語の未解明の側面を明らかにすることに取り組んでいます。古代文献のより正確な翻訳が可能になれば、仏教学や歴史学など他分野への貢献にもつながります。言語の歴史を見ると、その変化は決してランダムではなく、一定の規則性があることがわかります。言語学研究を通じて、人類の歴史、文化、思考方法や価値観をより深く理解することができ、人間のあり方に迫ることができると考えています。