古代インド文献に「耳を澄ます」
文学研究科
約3000年前にサンスクリット語で書かれた古代インドの文献、特に『マイトラーヤニー・サンヒター』を研究しています。研究の核となるのは「文献を読んで理解すること」です。文法を解析し語の意味を明らかにしても、その文が何を言わんとするのかわからないことが多々あります。そんなとき、何かヒントがないか、どんな細かいことも見逃すまいと調べ考え続けます。それは遠い昔の遠い場所からの声を何とかして聞き取ろうとする行為で、そのこころの構えを学べるのが人文学だと思っています。未来の社会にはますます情報が溢れ、次々と目に飛び込む情報を処理することで日々精一杯になるでしょう。でも本当に大切なことは耳を澄まさないと聞こえない声にあるのかもしれない。古代文献の解読という営みを通じて「耳を澄ます」大切さを伝えていきます。