AI・ロボットとの幸福な共生社会を実現する
法学研究科
19世紀に欧州で誕生し、現在の法学の基礎をなしている近代法学には、「自律的個人」を構成単位とする民主主義の実現という重要な理念が存在します。しかし、AIやロボットなど人間と相互に影響を与えあう科学技術の急速な発展によって、あるいは「自律的個人」という概念自体の持つある種の暴力性が認識されるに従って、その妥当性は揺らぎつつあります。そこで私は、認知科学・現代思想・文化人類学・経済学などさまざまな分野の知見を応用し、新たな法の基礎となる人間観や世界観を練り上げることを通じて、これからの社会にふさわしい法のあり方を研究しています。研究を通じて、先端科学技術がもたらすリスクをより民主的・合理的にコントロールしつつ、人々がその恩恵を最大限に享受し、幸福に過ごすことができる社会の実現をめざします。