Researcher

研究者

科学の叡智と人類の「徳」が調和する社会

斎藤通紀
高等研究院 (ASHBi)

ヒトの命はなぜ永遠でないのか?これは、私の子どもの頃の疑問です。個人の命は短いですが、ヒトの生命の営みはとてつもなく長い間続いてきました。それを支えるのが精子や卵子、そして、その起源となる生殖細胞です。私は、生命の永続性を支える仕組みを解明するべく生殖細胞を研究し、ヒトのiPS細胞からヒトの生殖細胞を試験管の中で大量につくることに成功しました。現在、この技術の発展や遺伝病などさまざまな疾病研究への応用、そして倫理的課題が議論されています。人類は「徳」を道しるべとし、どう生きるべきかを常に考えてきました。科学が自然の摂理を次々と解明する中、その成果を豊かな社会構築につなげるために、いま、新しい生命哲学が求められています。科学の叡智と人類の「徳」が調和する社会の実現に貢献できればと思います。

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