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研究者

音で探る水中生物の世界、野生動物との共生へ向けて

木村里子
東南アジア地域研究研究所

海洋では、船舶航行や工事、探査などさまざまな人間活動が繰り広げられています。近年、これらの活動にともなって出る音が、海洋生物に影響を与えていることがわかってきました。中でもイルカは聴力が高く、音を使ってコミュニケーションを取ったり、環境を認知したりする生物です。音に大きく依存した生活を送るため、とりわけ海洋騒音の影響が大きいのではないかと心配されています。私は、イルカを主な研究対象として、海洋の大型動物の行動や生態の解明、騒音影響評価に取り組んでいます。将来的には、水中に放射される騒音を規制する基準やガイドライン、それらを踏まえた静穏化技術の開発が求められるようになるでしょう。その際に、現在、私が取り組む生物の基礎的な知見が重要になると信じています。

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