無限次元の空間の『まんなか』を捉える
数理解析研究所
現代の幾何学では、さまざまな「空間」を考察の主な対象としています。その際に、空間の大域的な「形」を理解するうえで基本となるのがホモロジーという理論です。これは純粋に数学的な興味から100年以上前に考えられた理論ですが、近年はデータ科学等の実社会に関わる分野でも使われているようです。私の主な研究対象は、アンドレアス・フレアという数学者が1980年代に考えたフレア・ホモロジーというものです。比喩的に言えば、これはある種の無限次元の空間の『まんなか』を捉える理論であると私は考えています。私は専ら数学的な興味からフレア・ホモロジーを研究していますが、この理論もいずれは実社会に影響を与えるようになるのかもしれません。