Researcher

研究者

理論物理学をブートストラップする

中山優
基礎物理学研究所

コンピュータを起動することを「ブート(ストラップ)する」と言いますが、これは昔、底なし沼にはまった男が、自分の靴の皮紐(ブートストラップ)を持ち上げて危機を脱したという寓話に由来します。このように、外部の情報を借りずに内部的な条件だけで問題を解く手法は「ブートストラップ」と呼ばれ、その考え方は21世紀の理論物理学において一つの潮流となっています。物理学の究極法則は、外部から与えられたインプットではなく、内部構造の無矛盾性のみで決まっているのではないでしょうか?実際に、宇宙の始まりや物質の相転移、核力の構造など、物理学の難問が次々とブートストラップの手法で解明されています。自然界の統一的な基本法則の解明をめざして、皆さんもブートストラップしてみませんか?

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