災害を起こす巨大海洋波のモデリングと予測
白眉センター / 防災研究所
いま、気候変動が海洋や沿岸環境に深刻な影響を与えています。再生可能エネルギーの必要性も高まる中、海岸・海洋工学は、重要な研究分野となっています。近年増加している「極大波」は強い海上風によって生まれ、最大30mにも達し、船舶、海底油田掘削施設や空港などの海洋構造物、各種沿岸施設、住宅地に大きな被害をもたらします。私は、数学的なアプローチと水槽実験を組み合わせ、こうした極大波のモデル化をめざしています。水槽を揺らし実際に物理的な波を起こす実験は、理論モデルを検証するためだけでなく、巨大な波による被害を正確に予測するためにも重要です。複数分野にまたがる世界的研究者や企業と協働しながら、データ駆動型の極大波予測手法や、津波などの沿岸災害を軽減するための革新的な力学的コンセプトの設計にも取り組んでいます。