人と木との歩みに思いをはせ、古代の才知を未来へ
生存圏研究所
注連縄のついた巨木を前に心を無にし、厳かな気持ちで木彫像に手を合わせる。静謐な茶室での一服に心研ぎ澄まし、鮮やかな新緑に明日への活力をもらう。便利で豊かな今を生きる私たちですが、古代人と同様、災害、疫病や争いなどといった不安は決してなくなるわけではなく、今も自然や木を拠り所としてささやかな精神的安定や充足を得ているように思います。私は古い木製品等の小さな木片から樹種や年代を調査し、古代の人々のこころに寄り添う研究を行っています。人々の用材観や死生観、あるいは息遣いを見つめ未来に届けることは、人が自然と手を取り合い、心穏やかに安心して生活ができる、真の意味で調和のとれた地球社会の実現にきっと役に立つ、そう信じています。