失くしたしっぽから「ひと」の成立を読み解く
白眉センター / 総合博物館
われわれは「ひと」です。しっぽを持たない生物学的な「ヒト」であると同時に、文化表現(神話や民話)の中にたくさんのしっぽ(を持つキャラクター等)を登場させてしまう人間性を備えた「人」でもあります。これら両側面をあわせもつ「ひと」の成り立ちを知るために、私はしっぽに着目した研究を進めています。なにかを知りたいと思うとき、その手段は一つで十分なはずがありません。既存の○○学という括りにとらわれることなく、自由で多様な視点で考えることの重要性を、私は「しっぽ学 (Shippology)」として発信しています。ヒトがしっぽを失くした過程を、進化・発生に着目した生物学的アプローチで解明していくとともに、人が残した歴史的資料に残るしっぽの表現を読み解くことで、人らしい認知の変遷を読み解く取り組みも行っています。