免疫の力であらゆる世代が健やかな未来へ
iPS細胞研究所
免疫は、私たちの体をウイルスなどの病原体やがんから守るために欠かせない防御システムです。その機能が低下すると感染症が重症化しやすくなり、また、免疫の過剰反応や制御異常は、自己免疫病、アレルギー、代謝病などさまざまな疾患を引き起こします。免疫システムの司令塔であるT細胞を生み出すのは心臓の上にある胸腺という臓器ですが、胸腺は人生の早期から機能が低下してしまいます。私は、T細胞と胸腺の発生および老化を深く理解し、その知見をヒト疾患の予防や治療に役立てることをめざしています。また、iPS細胞も活用し、胸腺の機能を再生する技術の開発にも取り組んでいます。必要に応じた免疫システムの自在な制御あるいは再生を可能にすることで、あらゆる世代が健やかに生きる未来社会の実現に貢献したいと考えています。