細胞内の代謝に学んで分子コンビナートをつくる
エネルギー理工学研究所
細胞内の代謝酵素複合体であるメタボロンは、代謝経路に関与する酵素群が動的に複合体形成と解離を繰り返すことによって効率的に代謝を促進・制御しています。こうした時空間的な複合体形成過程の中で、代謝に関与するタンパク質・酵素の相互作用は絶えず移り変わってゆくため、酵素複合体の空間的な構成とそこから生じる酵素反応特性はまだ明らかになっていません。そこで私は、DNAナノ構造体上に複数の機能性分子を一分子レベルで配置した「分子コンビナート」を構築して研究に取り組んでいます。試験管内で特定の空間配置にある代謝酵素複合体を構築し、複合体の構成を動的に変化させながら代謝反応を解析して、複合体の形成と反応効率の関連を明らかにし、細胞内酵素複合体の機能発現機構の解明をめざします。