ランダム行列理論で複雑なシステムの本質に迫る
理学研究科
私の研究の主な目的は、ランダム行列理論という数学の理論を用いて大規模で複雑なデータやシステムの構造を解析し、背後にある普遍的な法則を明らかにすることです。この理論は、統計学や量子情報理論といった分野で応用され、たとえば金融市場の動きを解析する、無線通信システムの性能を評価するなど社会のさまざまな場面で重要な役割を果たしています。特に今後は、情報量の飛躍的な増加にともなって社会のシステムはより複雑になっていくでしょう。今まで以上に高度なデータ解析手法が求められる中、より効率的に情報を処理し利用するための強力なツールとしてのランダム行列理論の可能性を探究することで、経済や社会問題の解決に貢献できると期待しています。