誰も取り残さない、健康な社会の実現に向けて
白眉センター / 医学研究科
従来の医療では、治療する対象集団を選定する際、疾病リスクの高い患者を優先してきました。しかし、治療の効果や副作用(反応性)は人それぞれ異なり、リスクの高い集団が必ずしも治療効果の高い集団であるとは限りません。そこで私はAIモデルを医療の分野に応用し、個人の治療効果(ベネフィット)を推定することで、リスクではなくベネフィットが高い集団にターゲットを絞った「高ベネフィット・アプローチ」という新しい治療戦略を打ち出しました。高ベネフィット・アプローチは適切な医療資源の分配および健康格差の是正を達成し、患者一人ひとりに最適な真の個別化医療の実現に貢献するという点で、医療のあり方の歴史的転換点を創造する可能性があると考えています。