テクノロジーではなく、システムを変革しよう!
地球環境学堂
気候変動を受け脱炭素化が強く求められる中、政策立案者は、再生可能エネルギーや電気自動車などの新しいテクノロジーを主に推進しています。しかし、こうした技術の生産と普及は、政策、企業行動、インフラ、生活様式、経済などの多様な社会的要素が絡み合う一つの複雑な「社会技術システム」として捉えることが重要です。脱炭素化を加速するには、火力発電所など従来の炭素集約型技術の規模を縮小することが必要ですが、社会技術システムは既存の仕組みやその成立過程への依存度が高く変化を拒む傾向があるうえ、影響力の強い大手企業が変革に向けた政策決定を阻止しようとしているのが現状です。私は、変革を阻害するこれらの諸要因に関して、実証的データにもとづく学際的知見を生み出し、事態を打開するための政策につなげることをめざしています。