気候変動による紛争や対立の増大を防ぐ
総合生存学館
気候変動がもたらす異常気象や自然災害、あるいは脱炭素や地球工学などの対策は、水、食料、土地、資源エネルギーの奪い合い、途上国や先進国との利害対立、地球規模で発生する影響の大きさなどによって、集団間さらには国家間での紛争や対立を招きかねないと考えられています。私が研究テーマとしている「気候安全保障」とは、そうした気候変動を遠因とする紛争や対立について考えるものです。今後、気候変動の進展にともない、気候安全保障リスクも顕在化するでしょう。しかし、気候変動によって必然的に紛争が増えるわけではありません。むしろ気候変動に関わる困難が協力の契機となる可能性もあります。私は、気候変動が国際政治経済に与える影響の程度やメカニズムを明らかにし、紛争や国家間対立の増大を防ぐことに貢献したいと考えています。