食・栄養研究で人類のレジリエンスを強化する
生命科学研究科
医食同源として古くから知られるように、食生活は生体内の恒常性(環境が変化しても生理機能が一定に保たれる性質)を調節しており、その調節機構の破綻は多くの病気を誘発します。近年、食と健康の関係は分子レベルで証明され、食は健康と恒常性の維持において最も重要な因子であることがわかっています。たとえば油に含まれる脂肪酸はエネルギー源になるだけでなく、細胞に重要なシグナルを与えているのです。私たちは、食べ物が代謝される過程でつくられる多様な化学物質を指標に、万物の生命現象の起点となる「栄養シグナル」の全容解明に向けて、医・薬・農を統合した生命科学研究を進めています。そして、病気を治すのではなく病気にかからなくする、すなわち生体恒常性を頑強にするための予防医学・先制医療・創薬・機能性食品素材開発へつなげます。