Researcher

研究者

知能をつくることで、自分たちという存在を理解する

谷口忠大
情報学研究科

人間の心も知能もこの世界で起きている現象です。そのダイナミクスは、物理的な法則と、創発的な階層を経て、身体的な経験から意識的体験までもが連続して作動しているのだと考えています。また、人間による世界の認識および言語使用は、自らの感覚運動に紐づいた認知に加えて、社会的な文化や言語、制度(記号系)の制約を受けます。ボトムアップとトップダウンの影響の中にありながら、その記号系を自らが生み出しているということこそ、人間の知能の本質なのだと思います。私はこれまで、人間が自らの経験に基づき認識を構成し、また社会のなかで言語を含めた記号システムを組織化していくダイナミクスを捉えるために「記号創発システム論」を提唱し、ロボットを用いた構成論的研究に取り組んできました。さらにその先に、人間という存在に迫る文理融合の学問構築をめざしています。

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