RNAにより免疫を制御し疾患治療をめざす
医学研究科
免疫システムの活性化は病原体の感染から体を防御するために重要である一方、その暴走は、関節リウマチなどの自己免疫疾患をはじめさまざまな病気の原因となります。免疫細胞の活性化を制御するのはメッセンジャーRNA(mRNA)です。mRNAワクチンの実用化によりRNAは身近な存在になりましたが、体の中でのRNAの調節メカニズムや投与されたRNAがどのような運命をたどるかなど、まだ多くの謎が残されています。私は、mRNAを分解することで免疫系の暴走を防ぐ「ブレーキ」の仕組みを研究しており、RNAを介した免疫調節の全容を解明していきたいと考えています。このブレーキを、核酸医薬と呼ばれる最新の医薬品などで自在に踏んだり離したりできるようになれば、免疫疾患の新たな治療法が確立できるでしょう。