がんと共に生き、がんで死なない社会
医学部附属病院
現在、日本でがんを患う方は人口の約半数、死亡原因としては全体の約3分の1を占めています。がんで亡くなる場合、苦しい闘病生活の末に悔いの残る最期を迎えられる方も多いのが現状です。一方で、加齢にともなって小さながんができることはよくありますが、進行を防ぐことができれば生活に大きな支障はありません。そこで私は、がん細胞の浸潤や転移の要因となる「上皮間葉転換」という現象に着目し、がんの悪性化を防ぐ免疫治療の研究に取り組んでいます。がん細胞の根絶をめざす治療は患者さん自身にも負担が大きいですが、免疫治療によってがんの進行をコントロールできれば、根絶はできなくとも、深刻ではない普通の病気として付き合ってゆくことができるようになると考えています。多くの人がより充実した人生を送れる未来を実現したいです。