瀬戸臨海実験所における海産無脊椎動物の自然史学的研究
フィールド科学教育研究センター 瀬戸臨海実験所
瀬戸臨海実験所は京都帝國大学理学部附属瀬戸臨海研究所として1922年に和歌山県瀬戸鉛山村から敷地を無償提供され、番所崎の桔梗平に瀬戸臨海研究所として開所しました。1930年には水槽室に観覧設備を加え、白浜水族館として一般公開が開始されました。1968年には観光開発の危機にあった畠島を買い上げ、自然保護を行うとともに教育・研究に供するようになりました。実験所周辺の海岸・海中の豊富な生物相は現在も比較的良く保護されており、所員によって系統分類学・生態学など自然史学的な研究が行われています。伝統的に行われてきた研究分野は、海産無脊椎動物の分類・系統学で、この分野の発展の中心的な役割を果たしてきました。これと同時に、底生生物や浮遊生物各種の分布、生活史、種間関係、行動などに関する生態学的研究のほか近年では環境DNAを用いた研究や分子系統学的研究も行われています。その他、学内外の臨海実習や外来研究者による研究にも多数利用されています。