トポロジーの力を理論物理学に、さらにその先へ
理学研究科
トポロジーは図形や空間、さらにそれらが高次元化・抽象化された対象を扱う数学の分野で、私は特に理論物理学との関係を研究しています。「連続変形で不変な性質」を調べるトポロジーの考え方は、素粒子物理学や物性物理学でも有用だとわかってきました。数学が持つ抽象化のパワーは物理現象の統一的な説明を可能にし、物理学からの動機が新しい数学的発見をもたらすこともあります。このように数学と物理学が相互作用しながら発展していくのが刺激的です。私の研究が今の社会にどう貢献するかを具体的に説明するのは難しいですが、純粋数学の研究は数十年後・数百年後に思わぬ形で応用されることが多く(たとえば量子コンピュータなど)、私たちの研究もその一例となることを信じています。これからも分野間の架け橋になるような研究をしていきたいです。