臓器成長の謎に迫る、ドナーのいらない未来へ
理学研究科
再生医学の進歩はめざましく、将来的には臓器まるまるひとつを培養して患者さんに移植することが可能になるでしょう。しかし、そこに至るためには基礎研究が必要です。現在の技術でも幹細胞から小さな臓器(オルガノイド)が作成できるようにはなっていますが、大きさも機能も本来の臓器からは程遠いものです。オルガノイドを本物の臓器に近づけるために、私は発生段階で臓器が実際の大きさと「かたち」になる仕組みを解き明かしたいと考えています。この謎を解く鍵として腸の蠕動運動に着目しました。蠕動運動は腸の伸長に密接に関与しています。蠕動運動で腸の伸長が促されるメカニズムを解明し、その成果をオルガノイド研究の発展へとつなげます。