Researcher

研究者

宇宙世紀を支える、月の水資源とシスルナ科学

榎戸輝揚
理学研究科

月や火星、小惑星などの宇宙フロンティアを開拓するには、その玄関口である月に水資源を見つけることが大切です。月面には絶え間なく宇宙線が降り注ぎ、中性子を発生させています。私たちは、中性子が水素の原子核(陽子)に衝突して減速する性質を利用して、中性子の測定から水資源を見つけ出す計画を進めています。この計画では、これまで取り組んできたX線天文学で培った宇宙放射線の測定技術や、雷や雷雲からガンマ線を観測するシチズンサイエンスのノウハウも活用し、月周辺に多数の観測網の展開をめざします。実現すれば、月周回機での中性子寿命の測定といった素粒子実験や、地球と月の間の領域(シスルナ領域)の全体を用いたガンマ線バーストでの宇宙論の研究に貢献するなど、「シスルナ科学」ともいうべき宇宙世紀の新しい分野が拓かれます。

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