Project

プロジェクト

生殖細胞を活用した絶滅危惧野生動物の生息域外保全

村山美穂
野生動物研究センター 教授

絶滅が危惧される野生動物種は、保護増殖事業計画のもと野生復帰をめざした飼育下繁殖が行われています。しかし、自然繁殖が順調でない種や、飼育集団の遺伝的多様性の維持が課題となっている種も少なくありません。これらの問題解決のためには、1.種の存続に大きく影響する繁殖関連機能遺伝子の個体差や多様性の実態把握、2.繁殖の成否を左右する個体のホルモン動態の正確な把握、3.安定した遺伝資源確保のための生殖細胞・受精卵保存技術の向上が必要です。
野生動物研究センターの村山美穂教授が代表者として進めている本研究プロジェクトでは、繁殖に関わるゲノムや内分泌の情報を基盤として、保存生殖細胞を用いた人工授精や受精卵作製といった繁殖補助技術の確立をめざしています。哺乳類のツシマヤマネコと鳥類のヤンバルクイナを主な対象に、DNA、ホルモン、生殖細胞の試料と関連情報を蓄積し、それらを連携することで絶滅危惧野生動物の保護増殖に貢献します。

 

ツシマヤマネコ

ヤンバルクイナ

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